去る4月26日土曜日、しあわせの村研修館ホールにて、神戸市サッカー協会技術委員会主催、指導者研修・講演会が開催された。
神戸市サッカー協会技術委員会としては指導者研修を兼ねた講演会を不定期ではあるが開催をしてきた歴史がある。今回は2002年FIFA WORLD CUP KOREA/JAPAN 日本代表チームのチームドクターを務められた森川嗣夫先生をお招きし開催した。これは実に1993年6月23日、当時の日本代表チームコーチの清雲栄純氏を招いて以来の講演会となった。
今回の講演は「サッカーチームにおけるメディカルの重要性、必要性」と題し1時間半に渡る講演となったが、当日は150人もの熱心な指導者、チームスタッフ、少年チームの保護者、神戸市選抜チームスタッフが参加し、質疑応答などを含め、熱心に耳を傾ける姿が目に付いた。
森川先生はワールドカップ期間中の緊張度、仕事の大変さは当然のことながら、トルシエ監督が就任し、代表チームが編成された頃からの長い期間に渡ってのチーム作り、選手管理の難しさを述べられた。そして如何に選手の身体特徴を把握し、各選手に合った独自のコンディション調整を考案したか、あるいは突発的な事故に対する対処の難しさを如何に克服してきたかなどを、我々もよく知る日本代表選手のピッチ内外におけるスライドを利用しながら、楽しく且つ分かりやすくレクチャーしていただいた。
特に、宮本選手の鼻骨骨折、西沢選手と小野選手の急性盲腸炎、柳沢選手の頚椎捻挫など我々が新聞等では知る由もなかった怪我、病気の大きさをお話しして頂き、それでもその難題に取り組み、予想以上に早く現場に復帰させたドクターをはじめとするメディカルスタッフの努力に敬意を表し、改めてサッカーにおける医学の必要性を思い知らされる思いがした。
森川 嗣夫先生
サッカー協会としてはそれぞれのサッカーチームに専属ドクターがいるとしたならばそんな素晴らしい事はないと思っている。しかしながら物理的に「全チームにドクターを」というのは難題であることも分かっている。ならば、「せめて少しでも医学的知識を身に付ける事へのお手伝いは出来ないものか」と言うのが今回の森川先生招聘の発端であったのである。
例えドクターではないにしても重大な障害、外障を見抜くことが出来たなら、「将来にわたって充実したサッカーライフを送ることが出来るのではないだろうか」そんな願いを持ってサッカー協会は日々動いているのです。ぜひ役に立つ協会になりたいものです。
次回もぜひ多数の参加者が来てくれる事を願っています。
神戸市サッカー協会技術委員会・強化担当部長 昌子 力