まとちかサッカー日記 :忘れ物を取りに・・・2009-06-10

皆様こんにちは。珍しくちょっと早い更新に驚いていませんか?
新型インフルエンザの影響で予定されていた試合が相次ぎ中止、延期に・・・
久々にゆっくりとした休日を送ることになり、サッカーがなければ何もすることがない私は、 日記の更新をすることにしました。
といっても話題は3月に遡りますが、ご了承ください・・。

3月19日(木)いつも残業ばかりしている私は珍しく強引に定時であがり、集合場所であった尼崎へ急ぎました。20日(金・祝)に千葉の西船場で行われるアクションサッカーの全国大会にチームの友達と車で行くことになっていたからです。

昨年の日記でもお話したことがありますが、アクションサッカーとは、4人制のサッカーで全面ネット張りのコートの中、アウトオブプレーになるのが得点が入ったときとファウルがあったときのみというハードなサッカーです。某スポーツクラブでリーグ戦を行っていて昨年の全国大会は準優勝で終わりました。

元々偶然のきっかけで知り合った(話せば長いので・・・)仲間ですが、私は週に1度のこのサッカーをとても楽しんでいます。それは仲間とサッカーをプレーするというプレーヤーの気持ちを思い出させてくれ、審判をする上でも指導する上でも忘れかけていた気持ちを思い出させてくれた気がします。

全国大会の出場をかけてまずは関西大会があるのですが、昨年は関西大会の決勝で負けて(全国は準優勝まで出場できる)全国大会の決勝でも同じチームとあたり、また負けて準優勝でした。今回の関西大会でもそのチームと戦わなければなりません。決勝まで当たることがなければ2位まで出場できるのでいいのですが、予選リーグで同じブロックに入るとかなり厳しい状況になります。今まで抽選はけっこうついていたんですが、今回は見事同じブロックに入ってしまい、しかも第1試合で「笑うしかないってこのことだね~~」なんて話してました。

それでもあきらめず頑張ろうと気持ちを入れなおして試合に挑み、相手の調子がまだ上がっていなかったのか、チームのメンバーが必死に頑張ったのか、勝つことができました。

おかげで関西大会は優勝し、全国大会の切符を手にしました。そして昨年忘れてきた「全国優勝」という忘れ物を取りにいけることになったのです。

昨年の大会は2月の連休で大雪の日にあたり、14時間ほどかけて千葉まで移動しましたが、今年は順調に関東入りができました。翌日(20日)の朝から大会が始まりました。抽選の結果、私たちのチームはA-1ということで第1試合になり、抽選をひいたチームメイトには大ブーイングでした。笑

あと、昨年の大会では、女性ゴールは3点だったのですが、今年は2点と言われ、私のチーム以外に男女混合のミックスで出場しているところがないので、「あきらか私らのチーム対策だよね・・・」なんて話をしながらも、やるしかないので気合をいれて試合に挑みました。

しかし、どのチームも昨年よりレベルが上がっていて苦戦の連続・・女子得点の1点減ったことに更に苦しめられたのです。それでも予選リーグはなんとか突破し、決勝リーグに突入。

準々決勝では天井に当たってゴールが入り失点してしまうという不運なゴールがあり、その後後半に入って3点差まで開き「もう厳しいな~~」と初めてちょっと弱気にもなりましたが、最後まで戦う私たちに勝利の女神が微笑んでくれ、相手のファウルでPKに・・・。

いつも若干メンタルの弱い女の子が、今までに見たことがないぐらいのたくましい勢いで「私が蹴る」と言わんばかりにPKのところまでやってきてゴールを決めて2-3に・・・

勢いに乗った私たちは逆転し、準決勝に進みました。準決勝では関西対決。関西大会の決勝のときとはメンバーをガラッと代えて数段強くなっていました。しかも全国大会の直前にあったリーグ戦で当たったときに、私たちは負けていたのでここ1番の大勝負になりました。

私たちは珍しく!?作戦を決めて戦いました。この甲斐あったのか後半途中まで2-1でリード。外で応援しているメンバーから「あと1分半!!」という声が聞こえます・・・・が、ここでバックパスがキーパーとかみ合わずオウンゴールで2-2に。PKになると相手のキーパーは上手いし、女子が混ざっている私たちのチームは圧倒的不利。なんとかもう1点ほしいこの状況、私もみんなも諦めずがんばりました。

外から「あと10秒」って言う声があってから速攻を開始!最後は私のところにボールが・・・そして当たりそこないのシュートが前に詰めてきたキーパーの頭をふんわりこえてゴール!!!そこで試合終了のフォイッスルが・・・相手は崩れ落ち私は見事ヒーロー!じゃなくてヒロインになりました。

チームの盛り上がりは最高潮まで上がり、このまま決勝でもいい流れをと思って臨んだ決勝戦。それは予選リーグの1回戦で対戦し引き分けに終わった相手とのカードになりました。

引き分けだったんだからチャンスは絶対ある・・・と思っていましたが、一度試合をしているだけにこっちのパターンも読まれていて苦戦。結局2-4で負けて今年も優勝を取ることができませんでした。昨年よりレベルが高く、1試合1試合が大変だった分、悔しさも倍増。アクションサッカーをしていて初めて泣いてしまいました。

しばらくは残念な空気がチームに流れていましたが、帰りの車では、もう笑って「来年こそ忘れ物(優勝)をもって帰りたいね」って話をしていました(全国にいけるかも分からないのに・・笑)。

偶然の出会いで私は今このメンバーと一緒にサッカーを楽しんでいますが、人と人とのつながりで知り会えたこのメンバーに感謝したいです。そしてこれからもいつも楽しく、笑って一生懸命になって、そして悔しく泣いて、ときには怒って・・・サッカーをしていきたいなと思いました。

サッカーとハート :自立心と倫理観2009-05-14

2008年は1度しかコラムを出せなかった。
今年は少し頑張らねば・・・。

近況報告・学生リーグ

2009年度の関西学生サッカーリーグが4月29日から始まった。今年は残念ながら2部リーグでの戦いとなるが1部復帰を目指し、気持ちを新たに。

2部リーグチームは4月11日から開幕した1部リーグとは違い、4月の初頭は関西学生選手権を戦った。夏に行われる大学の全国大会である総理大臣杯大学サッカー選手権の予選を兼ねた選手権である。この関西学生サッカー選手権大会は学生リーグ1部所属全12チームと2・3部予選を勝ち抜いた4チームの計16チームが参加し6月に行われるのだが、2・3部チームは与えられた4枠を4月初旬の2週間で3試合、44チームが争った。

我々の成績は4月12日(日)1回戦○4-0vs大阪大谷大学、4月18日(土)準決勝○1-0vs天理大学、4月19日(日)ブロック決勝○3-1vs奈良産業大学となり、2・3部代表権を勝ち取ることができ、5月24日に関西学生サッカー選手権1回戦・関西大学と対戦することとなった。我がチームは昨年度1部リーグ所属チームであったとは言え、「2・3部予選を勝ち上がるのは決して楽ではない」と思っていたので、終わってみればそれなりに1年間もがいた経験が蓄積されているのか、落ち着いて試合を運べていた気がした。

続く4月29日からは関西学生リーグが開幕し、緒戦○9-0vs摂南大学、第2戦○1-0vs神戸大学、第3戦○9-1vs太成大学、第4戦△2-2vs龍谷大学となりBブロック1位を維持している。とはいえ先の長いリーグ戦。今の成績は関係ない。これからが問題である。

さて、本題・・・。

もう後は無い・・・プロしかない

私も前述のように大学生の指導をして早くも8年目に突入。しかし私はどうも同じチームを指導するも長続きしないようだ(笑)。今までの指導歴を見ると神戸FC時代が9年、ヴィッセル神戸時代が7年である。しかしそんな短い中でも小学生や中学生、高校生、社会人、女子、ママ、プロ、アマと様々なカテゴリーや年齢層を指導する機会得ることができた。

今年で指導を始めて25年になるが『“指導”をするとはどういうことなのか?』『自分が指導をした結果、求めている姿は何なのだろうか?』『今まで自分の“指導”における“根本”を成すものはどういった考え方なのか・・・』と自問自答をしている感が最近ある。もう少し平たく言うならサッカーの指導をしているのは『サッカーの質の追求なのか人間教育なのか…はたまたそういった区別をすること自体不自然なことなのか・・・』と。
現在の日本のサッカー界の選手育成と言う名の結末・代物・パターンはいくつかある。

  1. 将来の日本を代表するプレーヤーとしての力量に育つパターン
  2. 代表レベルまでの選手にはならないがJリーガーとしての力量に育つパターン
  3. Jリーガーにはなれなかったが高校時代まではかなりのレベルの力量に育ったパターン
  4. 大学で鍛えなおしJリーガーとしての力量までに育つパターン
  5. 大学でプレーするが社会人になってからは趣味でサッカーをプレーするパターン

などなど。

最終形はこれだけではないだろうが、いずれにしても選手育成の初期段階において、指導者はサッカー選手として必要なパーツを身につけさせよう、出来る限りレベルの高い試合が出来るように育てようと試みるに違いない、たとえ競技志向のチャンピオンシップスポーツを目指していないにしても・・・。

しかしながらサッカー選手としての技量の成長は十人十色で、計画通りにいかないのが世の常。世界で通用する選手を育てるという目標を真剣に達成しようとするなら指導者はより優秀な素材を見つけては連れてきて、サッカー選手になるための環境を用意し、徹底したプログラムの元、選手の思考をも洗脳しなければならないだろう。“もしサッカーで通用しなくなった時のことを考えて(融通が利くように)勉強もしておいた方が良い”などと言う考えを捨て、子供たちにプロサッカー選手たるもの○○だ・・・と。つまりハングリー状態の中で…生きるか死ぬかのような…選手を育成していかなければならないのだろう。

前述の考えが良いのか悪いのかの是非論は別にして、現在、ブラジルやヨーロッパのサッカー先進国の選手スカウト事情や育成事情をみると、日本の中では“考えられないこと”と思われることが実際行なわれている。そこまでしなくても選手は育つのではないの?あなたの国なら・・・とつい首をかしげたくなる・・・サッカー先進国が・・・だ。

イタリア・セリエAのインテルミラノに所属する18歳のマリオと言う選手をご存じだろうか?またバルセロナのメッシもそうである。13歳になった彼の能力を買い取るためにその家族ごとイタリアやスペインに移住させ、両親に仕事を与え、生活環境を整えて“子供”のパスを確保するのである。

日本では考えられない。当然学校にも通わすのだが学校は勉強をするところでありサッカーはクラブで行うもの・・・という住み分けが出来ているヨーロッパの国々。午後からはしっかりサッカーの時間を確保できる。サッカーが中心になってもおかしくは無い。日本国内でもガンバ大阪などはジュニアユースからユースに昇格するにあたって高校進学よりプロサッカー選手を推奨していくケースがある。所属選手全員に対してでは無いが「高校に行っておかないと後々のことを考えたときに・・・」という考えは無い。そんな甘えた気持ちがあるからプロになれないんだ・・・とばかりに。

若手育成に苦労をするJクラブ・・・だから勉強も大切では?

昨今、大学生のサッカーが見直されている。高校を卒業してJリーグに入団した選手の2~3年(18歳~21歳)の追跡調査をした結果、(A契約にまでたどり着いた選手はいわゆる将来有望選手であり即戦力タイプとして試合機会をつかめるが)B/C契約のままで所属している選手の65%が試合出場機会を得ていないという。

サテライトリーグも若手育成の場と言われてきたが、サテライトリーグで優勝するために選手を抱えるJ球団は今は無い。より少ない選手で球団を運営し人件費を削減する。すると22人の選手を保有するクラブにしても試合に出場する選手は毎試合11人+数人であるから、毎節試合のたびに 22-11(14)=11人(8人) の選手は試合に出場できない状況が生まれる。その選手で若手育成の試合をしようとしても人数が足りない。このギャップにどのチームも頭を悩ませているようだ。

しかし、だからこそお金をかけず選手育成する方法を考えなければならないのである。プロレベルの選手を育てるプロ球団なので、その若手選手のために刺激・資質向上が図れる事業を組まなければならない。人数的に7~8人で練習をしなければならないときはどこからか選手を補充してでも十分な人員確保をして、トレーニング効果を出したほうが良い。練習をするにも試合をするにも(自チームへの補充選手にしても対戦する相手チームの選手にしても)外部から加わる選手たちも、やはりそれ相当のレベルをもった選手を補充しなければプロレベル選手の育成のための実践には程遠くなる。

だからこそJ球団と大学チームとのコラボにもっと真剣に向き合うことが今後のプロ球団を維持していく上では大きなポイントではないかと私は考えている。各J球団所属の若手選手育成への“最小限の費用”で“最大の効果”を生む唯一の方法だと考えている。あの大学は近いだの遠いだの、ハイレベルの選手がいるいないではない。

しかしながら、この状況(若手選手の試合出場機会無し65%)がいつまでも続くのであれば、あるいは前述した選手育成の“結末・代物・パターン”が現在のサッカーの現状とするなら『もしサッカーで通用しなくなった時のことを考えて(融通が利くように)勉強もしておいた方が良い』と言う考えを否定することは非常に危険な行為となってくる。たまたま上手な選手はプロと言うレールがあるから良いが、そうでない選手たちはやはり困るのだ。

故に『“指導”をするとはどういうことなのか?』『自分が指導をした結果、求めている姿は何なのだろうか?』『今まで自分の“指導”における“根本”を成すものはどういった考え方なのか・・・』と自問自答をしているのである。

専門家=立ち振る舞い

プロ選手であれば何をしてよいかと言えばそんなことは無い。プロとして生きていくのはいわゆるその筋の専門家であるということ。よく○○大学経済学部△△教授とかエコノミスト□□氏・・・など専門家が経済に関する我々の知らない情報をワイドショーTVなどでコメントしているのを見かける。いわゆる専門家とはそういうことである。

一般人より専門分野において詳しくなければならないし、秀でていなければならない。ましてやサッカー選手は知識だけでは無く、実際にプレーをしてファンにお金を払ってもらってスタジアムに来てもらわなければならない。漫才師・落語家然り・・・芸人も同じで、お客さんに自分の一芸を見てもらわなければならないのである。さもなければ球団収入は上がらず(入場料収入だけが球団の収入ではないが赤字を出さず自給自足を目指すなら入場料収入は大切な要素となる)給料をもらえないことになる。つまり選手こそ際立った専門家でなくてはならないし、際立った営業マンでありパフォーマーでなければならない。

となればお客は何をもってある一定のプレーヤーの応援するのかということになる。“お気に入り”は秀でたスキルやキャラクターに依存される。直接会話はしないがTVや雑誌などを通じてその選手本人を知る(推測するというのか)。ファンはそういった媒体を通じてその本人とコミュニケーションをとり(とった気分になり)“お気に入り”に入れていくのである。

つまり、プレーヤーはもう一度あの選手の試合を見たいとかあの選手を応援したいと思わせなければならない。そして舞台上(グラウンド)で披露したの“芸”(サッカー)で人(ファン)を感動させなければならないのである。宝塚歌劇団が今でも人々の“憧れ”であり人々の“夢”として君臨しているのは立派な立ち振る舞いのできる宝塚音楽学校で育てられたからこそである。人が人を呼ぶのである。

では、際立った専門家になるための努力を何人のJリーガーがしているのだろうか?現役を引退してから指導者になりたいとB級やA級ライセンスを取得しに行く元Jリーガーが増えてきている昨今。実際一緒に講習会を受講したり講習会の講師をしてみると感じるのだが、引退する今になって努力を始める者、いい年しているのに一般常識のない・・・と思うものが少なくない。Jリーグに入る前も大切だが、入ってからがより大切なのだ。

善悪を教わるのはいつだった?

先日、神戸大学と試合をした時、神戸大学サッカー部員の大学生としての自立心、自立力、倫理観に驚きを感じたことがあった。総監督も監督も毎試合お見えになり熱心に指導をされる方であり、指導歴も長いとお見受けする。しかし、かといって躾に対して今更どうこうやかましく言われてはいないように思う。それなのに選手たちは試合に勝とうが負けようがしっかり挨拶ができ、試合終了後の態度(このときは我々が勝ったので神戸大の選手は決して気持ちがいいものではなかっただろう)も爽やかで好感が持てるものだった。

サッカー選手としての倫理観はとても大切だ。選手としての倫理観は同時に人間としての倫理観でもある。今の状況ではどう立ち振舞うべきか、相手の気持ちを思えばどうあるべきか、会場を借りている立場ではどうふるまうべきか・・・いわゆる我々指導者が子供を大人に育てていくプロセスにおいてとても必要且つ重要な指導項目である。この自立心、倫理観がない選手はプロになっても長続きしない。なぜならファンがつかないからだ。ましてや引退してから指導者になることは大変困難を極めるだろう。いや、プロ選手に限らず一般社会に出るためにも必要不可欠な能力なのだ。

倫理観とは一般常識のこととも言えるのではないか?最近、日本の政治家がJRフリーパスを使って国会を休み、熱海へ女性と旅行に行ったという記事を見た。漢字が読めないのも問題はあるのだが、公的立場で与えられるパスを使って国会を休んでまで旅行に行くということの善悪をいまさら60歳を超えた人生の先輩に言わなければならないとなれば、腹が立つのも通り越して「この人はいつの時期に何を教わってきていたのか」と非常に興味が湧く。ひょっとして悪いことと知っていてやってしまったのか?レベルの違いはあれ、社会的な犯罪行為を犯す大人も同じことだ。

コントロールとタイムリー

さて、大人と子供の違い・区別は何で付けられるのだろうか?わたしはいつも学生たちに言う。大人と子供の違い・区別は年齢ではない。責任が取れてセルフコントロールができるかどうかである・・・と。犯罪行為となると善悪の区別・してはいけないことを制止する抑止力のコントロールである。

反社会的行為もそうだが、簡単なところから言えば大人は遅刻をしない、仕事をきちっとこなすということでも決定的な違いと考えている。我々は翌日の仕事がいくら早くても遅刻はしないし欠席もしない。遅くまで飲み会に参加していても、必ず仕事は定時にきちんと行く。翌朝遅れそうで出勤に自信がなければ、前日の飲み会の誘惑に負けずにお酒を断る。いわゆるコントロールを利かせているのである。まあいいやと言って1眼目を休む学生とは違う。いや、学生の中にもきちんと出席する者もいる。しかしこれも倫理観。

また、こういったこともある。サッカー部員はさすがにいないが、一般学生たちは茶髪・ピアスなんて当たり前。しかし、なのに就職活動時期になると自発的に黒髪にしてしおらしくなる。本人の潜在意識の中で茶髪と言うものがどういうものなのかを理解しているようだ。茶髪が悪いわけではない。しかし面接においては極めて不利に働くということを感じているようだ。大学4年生の卒業間際まで茶髪云々を話ししなければならないこと自体、倫理観の欠如。

つまり、我々大人・指導者は対学生だけではなく、人間が育っていくプロセスの中でタイムリーに倫理観をその時に教え込まなければならない。そのためには我々指導者・大人が倫理観を自ら知っていなければならないし実践できなければならない。そしてそれこそタイムリーに教え込まなければならないのである。

「プロになるためには勉強とか高校に進学することなどの余分なことを考えずにサッカーにかけろ!」という考え方に対して外野の我々が、どうのこうのということではないのかもしれない。私個人はむしろ、その考えには一理あると思っているし異論もない。

つまり、私はこう考える。サッカーのトレーニングと勉強は相反するものではなく、互いに邪魔になるものでもなければ互いを消しあう存在のものでもない。しかし勉強はできなくても倫理観だけはTPO,年齢に応じて叩き込まなければならない。サッカーができても出来なくても倫理観だけは叩き込まなくてはならない・・・と。

昨今、モンスターペアレンツといった言葉にあるように、大人に異変が多すぎる。給食を食べているのに・車を持って贅沢しているのに給食費は払わないという。そのエヴィデンスは「義務教育年代の子供の食費は国が払うのが筋だ」ということらしい。その理屈もあながちわからないではないが、決まり事としてはそうなっていない。理屈が屁理屈になっている。これも倫理観の欠如だ。

要は進学といた最終学歴やサッカーの云々ではなく何を学んだかである。漢字が読めなくても総理大臣になれるのだから。

まとちかサッカー日記 :鳥取の皆さんお世話になりました。2009-04-10

皆様こんにちは。最近だけではないですが、神戸のサッカー関係者に会うとまず、「日記更新してないなー」って突っ込まれています。この日記を書き始めたころは、ヴィッセルにも携わっていたので週に1度のペースで書いたこともあったのに、それが月に1度になり今では・・・・と本当にすいません。(汗)

時々自分でふと過去の日記を読んだりするのですが、日記を書き始めて早7年、サッカーだけでも私にとっていろいろあったな~って思います。というかサッカーがなければ・・・って思います。それをこういう形で残ったり、たくさんの人に読んでもらえたりするのは本当に幸せかもしれませんね。

さて、今回は鳥取に1人旅!?に行ってきたときのことをお話します。
大学に入ってから、サッカースクールのボランティアコーチをするようになって4年ほど経ったとき、チームの勧めでC級の指導者の資格を取りました。それからこの資格を継続するために「リフレッシュ講習会」というのを受講して、今の指導方法やサッカー協会が目指すサッカーなどをレクチャーしていただきます。4年で40ポイントを取得して継続が認められるのですが、昨年の夏までに40ポイント取得しておかなければならなかった私のポイントは、20しかなく、資格を失効されるという通知が来ました。

私の中でチームを指導しているポイントが20入ると思い込んでいたのですが、うまく加算されていませんでした。
仕事や審判が忙しくて、しばらくサッカー協会にも連絡を入れることができず、年明けに失効した理由を話し猶予期間が与えられたのですが、それがもう日にちもなく、地元神戸のリフレッシュ講習会も開催されたあとだったので、近県で猶予期間内でこれからリフレッシュ講習を行うところを探した結果、鳥取県で見つかり、問い合わせてみたら受講をさせていただけることになり鳥取に行くことにしました。

このリフレッシュ講習会の次週には、審判女子1級の研修が予定されていたのでそこに集中したい気持ちはあったのですが、せっかく取った資格を失いたくなくて頑張ることにしました。
行くことを決心したのですが、仕事の関係上当日の朝に車で行くしかなくて、2月なので雪だけがとても心配でした。が、当日は天気も味方してくれて快晴。朝の5:30に出発し1人ドライブで鳥取に行きました。途中雪が残っている山道もあり少し怖かったですが、鳥取は暖かいぐらいの天気でほっとしました。

ヴィッセルにいたときに一度、地方でのホームゲームとして行ったことのある「バードスタジアム」で行われ、受講人数はそれほど多くなく女性も私一人でしたが、他の受講のコーチの方々も講師の方も快く受け入れてくれ楽しい講習になりました。
ボールを使いながら芝生のグランドで走り回ったのは久々だったので、帰り道はけっこう辛かったですが、サッカーを通じて鳥取の方の新しい出会いができよかったです。

きっかけは私の(ポイントの)確認ミスから始まったことですが、よかったと思える時間でした。鳥取の皆さん本当にありがとうございました。
今度バードスタジアムに来るときは審判でも来ることができたらと思います。
あとポイントはしっかり確認して今回のようなミスがないようにしたいです・・・。
P.S. 今年はとうとう本厄です・・・。まあ笑っていれば厄も寄ってこないかな~って思って今年も楽しくサッカー活動しようと思っています。(私に恐れて寄ってこないと言う人もいますが・・・・苦笑)

まとちかサッカー日記 :ご無沙汰してすいません。パートII2008-10-10

皆様、ご無沙汰しております・・・。前回のパートIですぐ書くようなことを言っておきながら早5ヶ月・・・。そろそろ皆さんもこのペースに慣れてきていただけたのではないでしょうか!?(笑)
「書こうかな~」と思っていたことができても、忙しさに負けてしまい、ついつい伸びていくうちに書くことが薄れていき、書きそびれてしまう・・・なんて言い訳をしています。

最近いろんなところで「文章書くのうまいね~~」なんて褒めていただき、いろんなところで書くことを頼まれるようにもなり、すっかりこっちがご無沙汰になってしまいました(汗)。
学生時代、国語が大の苦手だった私にはとても不思議な話です。
でもこうやって書いたものを読んでくれる人がいるっていうのは、とてもうれしいことで、それを楽しみにしてくれていたり、喜んでくれたり、元気になってくれたりしている人がいるっていうことが、また私の原動力になっているのだと思います。

とまあ余談が長くなってしまいましたが、今年は女子1級の晴れ晴れしいデビュー!?を楽しみにしてくれた方もいらっしゃる中、私には約2ヶ月とてもつらい戦いがありました。
今、元の(いや、元以上の)元気な体に戻っているから言えることですが、昔持っていた「貧血」が去年ぐらいからひどくなり始め、今年はとうとう研修での体力テストがクリアーできないぐらいになってしまい、2ヶ月ほど審判活動を休むことになってしまいました。
高校時代に完治したとばかり思って10年以上普通に生活していましたが、まさか今になってまた出てくるとは・・・・歳でしょうか・・・・(涙)

もう大丈夫と思っていただけに、少々走るのがしんどくなっていったときも、体調がすぐれないときも「忙しかったから疲れているだけ・・」なんて思ってしまい、病院にいくのも遅れ、研修で走れないというみっともない結果になってしまいました。
血液の数値が下がっていたのも、会社の健康診断の結果でわかってようやく「走るのがしんどくなっていたのはこのせいか・・・」と急いで病院に。

自己管理不足というか、自覚症状不足ということで、春から1つ上の舞台でも挑戦が遅れてしまい、焦りと情けない気持ちでいっぱいでした。
約2ヶ月の間、運動は控え、できるだけ早く回復するようにしましたが、何もできないというのはとてもつらかったです。

夏にようやく「全国少年大会」の審判団の体力テストの場で再テストを受けれることになり、Jヴィレッジまで行ってきましたが、「また走れなかったらどうしよう・・」と珍しく不安な気持ちでいっぱいでした。
そんな私の気持ちを助けてくれたのが、全国少年大会のレフリーで来ていた女子1級の先輩方でした。ペースメーカーになってくれ、常に声をかけて応援してくれたのです。おかげで私は今までで1番気持ちよく走れ、無事クリアーできました。
こうしてまた審判活動をミニ国体を機に再スタートさせることができたのです。
いつも健康であることに感謝して、この何もできなかった2ヶ月をバネにまた頑張っていこうと思います。

【追記】

TASAKIペルーレの休部、なでしこリーグからの撤退が決まりました。
地元のチームだけにとてもショックなニュースです。
今年の北京オリンピックで女子代表の皆さんが活躍され、女子のサッカー界を盛り上げていけるという矢先の話で、不景気が続いている今の世の中「なんで!?」といっても仕方のないことですが寂しい話です。
特にTASAKIは、Lリーグが始まった当初からあるチームで、バイトで生計を立てながらサッカーをしている選手も多い中、正社員として会社に入りなでしこリーグでプレーが出来るという面でも女子のサッカーに夢を与えてくれたチームであり、ここ何年かはチームの成績もよくサッカーをしている少女たちにとっても憧れの選手が多いと思います。そんな憧れの選手たちの活動の場がなくなってしまうことがあってはいけないと思います。
来年、新たなシーズンを迎えたとき、みんなが笑顔でサッカーができていることを願います。
そして残りの今シーズン、TASAKIの歴史を最後にしっかり残していただきたいと思います。

サッカーとハート :心が導く2008-05-22

サッカーとハートを久しぶりに更新。前回は2007年7月10日の更新であるからおおよそ10ヶ月振りとなる。こんなに間を空けると誰も見てくれなくなるだろうな・・・と思いながらも、どうしても書けない日々が続いてしまった。更新できないなら出来ない、間が空くのを充電期間という名できちんと休止状態宣言すればよかったのかもしれない・・・サザン○○○スターズのように・・・。しかしそうしたとしても「ああそうか」で終えることだろうから・・・必要もないかと少々躊躇。

この10ヶ月の間には、私自身の身の回りにおいて様々な出来事があった。前回のコラムの更新日の2007年7月10日以降には、サッカー協会や自チームの夏休みの事業運営が例年のごとく次から次へと現れ、それを消化するのに追われた。その後、8月26日からはS級ライセンス受講のため11月30日までの延べ3ヶ月強の間、東京と神戸を13往復した。同時に9月からは関西学生サッカー秋季リーグが開幕し(9月~11月末まで開催)、毎週週末は指導現場に立つ。この期間はS級ライセンス講習の日程と現場の指導が平行したため日々の生活ががらりと変わった。

月曜日13:00に東京国立スポーツ科学センター(西が丘サッカー場横)に集合し、午後からフィジカルトレーニングの理論講義と実技講習が行われ、火曜日から木曜日においては午前に指導実践(三菱養和会巣鴨グラウンド)、午後に講義(国立スポーツ科学センター)というスケジュールをこなした。結局、月曜から水曜日まで東京住まいとなり、講義内容によっては木曜日も東京泊。金曜日に大学へ直行ということもあった。神戸に帰れば金・土曜日で大学の業務とサッカー部の指導を繰り返し、日曜日は学生リーグの公式戦に帯同。翌月曜日には再度13:00に東京国立スポーツ科学センターに集合となり、おなじみのリズムをこなす。それでなくても13週間という期間そのものが長い上に毎週東京はさすがに遠い。だが東京だけならまだ良いのだが、3回ほどJヴィレッジでの講習も行われた。やはりJヴィレッジはもっと遠い。S級の講習会の内容については後ほど面白い話を含め紹介したいと思うが、指導実践するたびに力の無さを痛感。だめだしされるしでへこむ日々。

その長い3ヶ月の講習会を終えるころ学生サッカーリーグも終盤戦に差し掛かっていた。よりによって私自身、充分にチームの指導ができていない・・・と心配していた時なのに嬉しいやら悔しいやら・・・なんと2部Aブロックで優勝し、2008年度からの関西学生サッカーリーグ1部への切符をゲットしてしまった。複雑な心境でより一層白髪が増えた・・・。

12月になり講習も終え少々ゆっくり出来るかな?・・・と思っていたらなんのその、ブラジルから元日産自動車時代の名選手(京都サンガでも監督経験あり)オスカー氏を招いての指導者研修会の企画が持ち上がった(2008年1月15日(火)・17日(木)・20日(日)の3回実施)。県技術委員長を仰せつかっていた私は、企画責任者として講習会参加者にリフレッシュポイントをつけるためにJFAと折衝をしながら、会場確保や案内作成等でまた時間に追われだす。そうこうしていると1月22日からのS級ライセンス研修の一環としての海外研修が目前に迫る。オスカー氏の講習会の報告書をすぐにまとめ、1月22日にイタリアへ飛んだ。セリエA所属のリボルノSCとCSジェノア(カズが所属していたチーム)に1週間ずつ帯同し計2週間の研修を終え帰国。2月からは県協会指導者養成事業の運営、大学の入試関係業務、サッカー部新入部員受け入れ、4月からの学生リーグ1部を睨んでの準備・・・等等、毎日時間に追われた。というか夜になると疲れ果てパソコンに迎えなかったと言うのが実情。結局私の都合なのだが・・・。

本当にサッカーとハートを書く時間がなかったのとあまりのS級の講習会の厳しさ・大変さに少々モチベーションも失いかけ、何かをする気力が沸いて来なかったのも事実である。よって夜の街に出かけることもめっきり減り、肝臓には良かったのかもしれない・・・。

何をどう変える?

チームが連敗を喫し、なかなか元気が出ない状態が続いている・・・という経験があるだろうか?

そういう時はどうしたらよいのか?なかなかこれという方法が確立されているわけではないので経験に頼ることが多くなるのではないか?私が指導する大学のチームも1部に昇格して第1戦目●0-2vs桃山学院大学、第2節△2-2vs関西学院大学、第3節○1-0vs大阪学院大学と最初の3試合は初陣としては上出来の勝ち点4のスタートだったが第4節以降4連敗(4月26日、4月29日、5月3日、5月5日の10日間で4試合)を喫した。連戦だったとは言え、それは相手も同じこと。結局選手層やチーム体力(持久力という意味の体力ではなくすべてにおける運営能力を表す意味の体力)の無さが顕著だった。

しかし連敗をしているからといっても指を銜えてみている訳には行かない。何かをしなければ状況は変わらない。私もそんなに多くの経験をしているわけではないが思うに『何かを変えなければならない。』ということである。しかし何をどのように変えればどうなるのか・・・簡単には答えは見つからない。スポーツの世界で良く見受けられる方法として選手にもスタッフにも”刺激”を与えるという方法がある。よく連敗を脱出するために監督を更迭する…なんて言う話はよく耳にするところだろう。私にも更迭説が出てもおかしくないのだが・・・。

絶対条件

さて、ではその刺激を与えるという行為は誰が行うのか?立場でいえばフロント(強化担当責任者etc)という立場の人間が行うこともあれば監督が行うこともある。選手が行うこともある。では監督が行う手法としてはどういう感覚を持ち合わせた上でのどういう刺激なのか?実際に連敗を脱出する”刺激”を生み出すのにはどんな具体的なことがあるのか?一番多く取り入れられることは“先発選手を入れ替える”ことによる刺激ではないだろうか。

しかしただ闇雲に選手を入れ替えても意味がない。コロコロ先発選手が変わると試合に出場する選手間の意思疎通やコンビネーションの構築にはマイナス要因がはびこる。適度に入れ替えるのが良い。しかし入れ替えられた選手に言わせれば指導者との信用がなければ先発をはずされたときなどは特に納得した交代にはならないだろう。スムーズな実践はセレクトする立場の監督がいつも傍にいる選手達の微妙な動き・しぐさ・感受性の変化・感覚を逃さないよう酌まなく読み取ることが絶対必要条件である。

交代させられた選手が実際には「最近自分は調子が良い」と思っているかもしれない。しかしそれでも監督から見れば良いプレーができていないと思うかもしれない。一方でその逆もありえる。本人は調子が良くないと思っていても監督からすればよいプレーをしているように見えることもある。言い換えればこの現象が指導者を信じていけなくなる選手が生まれてくる要素なのかもしれない。このギャップはどちらかが悪いとか言う物ではなく、どちらかの思い込みから生まれるものである。どちらが正しいかを探し出す議論となるなら決して解決しないものであろうし、議論をしても結論がないものであろう。

時間と目を持つ

監督はそのギャップを少しでも埋めて行かなければならない。「何が良いプレー」なのか?「何が今、チームに必要とされるプレー」なのか?「今、○○のプレーを求めている」のか等を選手に伝えることが仕事だ。もっといえば伝えた後、選手が思いを実行に移すための実践の機会を与えていくことが更なる仕事でなければならない。指導者と言うものはこのギャップを埋める努力なくして良い指導はできないはずである。であるからして私は選手に『いつもチャンスはある』と言い続けている。だからその日・その1週間の選手たちの様々な気分の移り変わりや体調の善し悪し・気分の乗り具合を見分ける“時間”と“目”を持ち合わせなければならないと思っている。

しかしながら一方ではそのチャンスを残念ながらみすみす逃していく選手もいる。チャンスはいつも空から降ってきている。『あっ!チャンスが落ちてきた!!』と気づくか気付かないか・・・。大きな差である。傲慢な態度の者は目の前のチャンスは見えなくなり見逃す。周りに敏感で気配りができる者はその降ってきたチャンスに気づき落ちる前に拾える。そういった準備をしている者が最後には飛躍できる。言うなればチャンスを逃さないように拾える状態を常日頃から自分で作り出すことが大切になり、その作業を実際に行っているのかいないのかを監督は見ていると言っても良いかもしれない。

“日々努力!”
“驕れる者は久しからずや”

である。

練習は“ため”になるもの

だからいくつになっても指導者としては勉強が必要だ。試合においては変な先入観や固定概念を持たず選手を決定したい。新たなチャンスをつかむべく新人登用や出場機会の少ない選手も思い切って使う。それは日々を見ているから出来ることであり、日々の練習で選手が出す結果を見ているからメンバー選考の確信となり結論となっていくのである。当然、ある試合での先発組がその試合で勝利を掴むとするなら次の試合においても前回の先発組の再登場は有りだ。結果を出したのだから・・・。しかしだからといって試合の現場においては決して情けは無しであり厳しさがなければならない。

授業で全体練習に合流できなかったり練習時間に遅れたりする選手達に『遅れても良い、グラウンドに行き一人ででも練習すること。また数十分でもいいからトレーニングをして帰ること』と口やかましく言うのはチャンスを掴むためには・・・という考えからだ。練習自体はいつ何時も自分にとっては“ため”になる。ましてや自主練習をしている姿を仲間が見たとするなら自然と仲間は理解を示すし納得をし、評価するだろう。ということはやはり大切なのはサッカーに取り組む“心”の問題だということになる。

刺激

他の選手に良い部分があるからそこを評価して起用してみようという相対評価としての決断もある。天秤にかけたら先発をはずすことになる・・・ということは現実としてありうる事だ。しかしだからといって、先発を外されたからと言ってプレーが良くないということばかりではない。メンバーセレクトの決断がずっと続いて固定されるかといえばそうではない。選手のために、また選手がその悔しさをバネに踏ん張って跳ね返ってくることに期待を寄せるためのいわゆる”刺激”と言われる場合もある。だからメンバーに入ってもメンバーをはずされても『一喜一憂してはいけない』のである。下を向いてしょげたりふてくされては何も残らず前に進めない。選手をやっている以上前進・向上を目指しているはずである。悲しいかな心ひとつで良い方向にも悪い方向にもどうにでも動いてしまう。

つまり『心が導く』のである。

常に振り返ろう。
常に謙虚であり周りに敏感であれ。

まとちかサッカー日記 :ご無沙汰してすいません。パート12008-05-10

2008年5月

皆さんこんにちは。すっかりご無沙汰しております。
ご心配をおかけしていますが、「便りがないのは元気な証拠!!」として許してください。(汗)
決してサボっていた訳でなく、昨年変わった職場でのお店がオープンして忙しかったのです。
ここでたまりに溜まったネタ!?をババッとお話できるように頑張りますので、多少時期は外れますが目をつぶって読んでください。(笑)
話は2月の半ばの連休に遡りたいと思います。

2月の連休、そう関西で大雪が降った日を覚えていますか?私はこんな大雪の日に車で関東に行ってきました。
今回は審判員としてでなく、指導者としてでもなく、プレーヤーとしてです。
アクションサッカーをご存知ですか?今少しづつ広がりを見せている新しい4人制のサッカーです。フットサルコートぐらいの大きさで全面ネット張りになっているので、アウトオブプレーは、得点が入ったときとファウルチャージを受けたときだけという、とてもハードなサッカーです。そんなサッカーを私が毎年フットサル大会に出場している仲間と2年ほど前から、あるスポーツジムが行っているリーグ戦に登録し、定期的にプレーヤーとして楽しんでいます。
他のチームは、ほとんどが男性ばかりでミックス(男女混合)でやっているのはうちぐらいのものですが、女性の特権でシュートを決めると3点入るルールがあるので、それをいかし、一緒にやっている男性メンバーはかなり大変なようですが、ここで強さを発揮しています。

そんなこんなで関西大会を2位で突破し、全国大会の出場を決めて関東に行ってきました。まさかこんなタイミングで大雪になるなんて想像もしていませんでしたが、いつもの仲間で少々怖い思いもしながら、約13時間かけたドライブは、また思い出の1つになりました。大会前日の昼前に出発し、千葉のホテルに着いたのは夜中・・・。みんなで大会前の盛り上がりを見せることなく、長旅に疲れ切ってさっさと寝てしまいました。(笑)

次の日は、朝から大会。それぞれの地区の代表チームが集まりました。が、やはりミックスで参加しているのは、私のチームのみ。「女性3点ルール」を知らないチームもあるので、事前にしっかり説明されました。予選リーグの2試合はマークの薄さに女の子が得点を決め大きくリード、なんなく突破できたのですが、決勝トーナメントにあがると、さすがにそんなわけにもいかず、苦戦したゲームもありました。
しかも、今回私のチームで一緒に参加している女の子は、運動神経はあるかなりの頑張り屋さんですが、サッカーはアクションサッカーが初めてという初心者なのです。だいぶアクションサッカーに慣れてきているけれど、厳しいところは男性陣が頑張ってくれました(でも必ず常に女の子一人は出場してきました。)

そしてとうとう決勝まで上り詰めた私たちは、かなりの注目チームになっていました。決勝の相手は、関西大会の決勝のときPK戦で敗れた1位のチーム、そう関西対決です。
私たちとしては、今までに2回も負けてきているだけに、今回こそ勝って優勝したいという思いがありました。が、試合が始まってすぐに先制されてしまいました。かなり痛い1点でしたが、試合は始まったところ・・・。気持ちを切り替え、私は3点のチャンスを待って頑張りました。
前半も終わりに近くなったときにそのチャンスは訪れ、キーパーをしていた男の子から、シュートのような強いボールが来て、私がそれに触れてゴール!!3点が入り、相手はがっくり・・私たちは大喜びでした。流れは大きく私たちの方に傾き、1点を追加して前半は大きくリードして終了しました。
後半に入り、疲れ始めている私たちのチームの少しの気の緩みを逃さず、相手は猛反撃を開始。
ついに同点にまで追いつかれてしまいました。
見ている方たちには、なんとも面白いゲームだったと思いますが、私たちは必死でした。が、神は私たちに微笑んではくれず、最後に逆転のゴールを決められ、終了のホイッスルがなるまであきらめなかったものの、負けてしまいました。

くやしい!本当に悔しかった・・・。優勝をつかみかかっていたのですから・・・。
でも見ていた人たちは、私たちのチームに大きなエールを送ってくれました。そしてこの大会の総責任者で、このスポーツジムでアクションサッカーを行うことを立ち上げた方からも、涙ながらに「私が目指していたアクションサッカーは、あなたたちのようなチームです」と熱く語ってもらい、そんな言葉に私たちは救われました。
たしかに今回、優勝をあとちょっとのところで逃したのは本当に悔しかったですが、見ている人たちにもいいチームと思ってもらえるチームでプレーできていることに、私は本当によかったと思います。男女仲良く、楽しく、勝つチーム・・・私はこの仲間に出会えたことに改めて感謝した瞬間でした。出会ったのは本当に偶然のつながりで、こういうつながりがあるからまたサッカーってやめられないのです。

こんな胸いっぱいな思いで、このあとみんなで近くのスーパー銭湯に寄って、また車で関西に帰りました。

まとちかサッカー日記 :この想いを忘れず・・・2008-01-25

2008年1月

皆さん、新年明けましておめでとうございます。
と、かなりあいさつが遅くなって申し訳ございません。
「今期の冬は暖かいな」と思っていたのは12月末まで,・・・・年が明けてからはとても寒い日が続いており、寒さの苦手な私には、とてもつらい日々が続いています。

そんな私が、まだ12月後半の暖かい日に女子1級の最終テストを行えたということはとても運が良かったことかもしれません。毎年、女子1級の最終テストは、神戸で行われる全国大学女子選手権の舞台で行われます。神戸で行われる大会なので、関西の2級の審判員が副審や第4の審判員として女子1級の受験生と共に試合を行います。私も毎年この大会に参加し受験する人たちを身近に見てきましたが、今回は受験する側の立場。「ついにここまできたんだ」という実感と緊張感がいっぱいでした。

体力テストからスタートして、長くてあっという間に終わった4日間、自分では反省点もあり、よかったと思える点もありましたが、最後の試合では思いっきりやりきったという充実感がありました。そして去年の春前から始まった関西の1級候補テストから春の1次審査、夏の2次審査、そして冬の最終審査と長かった1年間は終わったのです。

「あまり悩みもなく、いつも笑って元気」と思われがちな私ですが(実際そうなのですが)、それでも1年間どこかいつもテストのことを考え、緊張感と気の張った面があったので「終わった~~」と正直ほっとしました。しかし、テストの結果がすぐでるわけでもなく、待っている間も長かったです。笑

そして最終テストから約1ヵ月後の1月20日付けで女子1級の合格通知が届きました
「よかった・・・本当によかった~~」
今までいろんなテストや受験を経験しましたが、これほどうれしく良かったと思えた合格通知は初めてで、思わず涙もこぼれてしまうほどでした。

私の中でこの1年間、女子1級のテストをともに頑張ってきた仲間、時にはライバルであり時には一緒に目標に向かうことをわかち合える友として辛い日々を乗り越えてきたことはとても大きな宝物になりました。そして遠征などで仕事も休んで迷惑をかけているのに、快くよく送り出してくれる会社とその仲間。陰ながらいつも心配し応援してくれていた家族。そしてダメなときも良いときも期待をこめ熱く指導してくださった審判の先生方。地元の審判員の方をはじめ、テストを受けに行った地域で一緒に力になってくれた審判の仲間の方々。その他にも指導しているチームの子供たちや様々なサッカー関係者の方や、友達にもいつも支えられ、周りの存在の大きさを改めて感じることができました。

これから女子1級として活動するに当たって、私自身審判に対する思いは変わらず、「選手が最高の試合をできるように、選手が自分たちの持っている力を発揮できるようなジャッジをする」ことなのですが、参加する大会のレベルが上がり私もその大会に出場する選手に合うような審判員であれるように頑張っていかなければいけません。

これからまた新しいスタートです。いろんなことがあると思いますが、この日の喜びを忘れず頑張りたいと思います。いつもこの「まとちか日記」を読んで応援してくださる皆様にも感謝の気持ちでいっぱいです。2008年からの私も宜しくお願い致します。

まとちかサッカー日記 :兵庫サッカーデー2007-12-10

2007年12月

皆さん、こんにちは。

長くて暑い夏が終わり、秋も去りあっという間に師走を迎えました。「日記の更新もせずに今まで何をしてたの?」と言われると心苦しいですが、今年は仕事が変わったり、審判のテストがあったり引越ししたり…と自分の中でとても忙しい夏になりました。

こんな感じで日記の更新が出来なかった言い訳をしつつ、ただただ忙しいだけの日々を送っていたわけでなく、自分にとって世界が広がる日々を送れた気がします。

去年から兵庫県サッカー協会の企画委員としてサッカー協会のお手伝いをさせていただいているのですが、今年の10月に「兵庫サッカーデー」というビッグなサッカーイベントを開催させることになりました。2002年日韓ワールドカップや去年ののじぎく国体で、兵庫県全体がサッカーで盛り上がり、さまざまなサッカーファンが増えてきたことを、このまま次につなげていこう!ということで企画されたこのイベント、約1年間どうしたらたくさんの人に来てもらえるか、たくさんの人に楽しんでもらえるか、サッカーに興味を持ってもらえるか…たくさんの会議を開き、たくさんの人の協力を得て開催されました。

これから毎年「体育の日は兵庫のサッカーデー」にしよう!と第1回目の計画を立ててきました。子供から大人、レディース、フットサルまでのサッカー競技にに加え、神戸で代表的なトップチームヴィッセル神戸TASAKIペルーレ、INACレオネッサ、そして今年から始まったFリーグからデウソン神戸にも協力をしていただきました。が、当日はあいにくの秋雨になってしまい、予定していたイベントの半分以上が中止をしなければいけないというとても残念な結果になってしまいました。そんな中でも実行できたイベントに来てくれた人の笑顔が一つでもあったことがとてもうれしかったです。そして私が初めて見ることができたサッカーが「ブラインドサッカー」でした。

去年の障害者ののじぎく国体では、3位決定戦の主審をやらせていただいたりと、知的障害者のサッカーを見る機会はあったのですが、視覚障害者のブラインドサッカーは初めてでした。兵庫県選抜 VS 日本代表 の試合でボールの中に入っている小さな鈴の音とコーチや味方の声をたよりにぶつかり合いながら行われるゲームはかなりの迫力で目が離せませんでした。

ブラインドサッカーはタッチラインが壁で覆われており、その持ち運び用の壁にお金がかかったりいろんな大変なところも聞くことができました。でもこうやって目の前で障害を持ちながらも楽しめる、一生懸命できることがある人たちは本当に輝いていて、もっとたくさんの人に広がっていけばいいなと思いました。

第1回目の「兵庫サッカーデー」は、計画していた全てのことはできませんでしたが、これを機に2回目3回目と続いていって、またひとつサッカーを通じて笑顔が増えていけばいいなと思いました。

私は4月に新しく仕事を始めたのですが、私の職場にはたくさんの障害者の人がいます。知的障害、聴覚障害、さまざまな身体障害とそれぞれ持っている(抱えているもの)はちがい、一緒に働いているうちに、彼らにはこんなことが出来るんだと感じることがあったり、こんなことを求めているんだとわかったことがたくさんあります。今年、こういったたくさんの人たち出会えたことで自分の世界が広がり、また一つ大きな成長につながればいいなと感じています。

まとちかサッカー日記 :女性アスリート2007-08-20

2007年8月中旬

皆さんこんにちは。とってもご無沙汰しております。(汗)毎日がとてもあっという間に過ぎていき、もう夏ど真ん中です。

私は、30歳という大台に入ったのを機にいろいろと環境の変化があり、毎日がとても忙しいです。「充実している」といえば、そうなのかもしれませんが、思うようにいかないところもあり悪戦苦闘の日々を送っています。そんな中でも1つホッとしていることが、審判女子1級の1次審査に受かったこと。去年もテストにチャレンジさせていただいたのですが、1次審査で不合格になったので、今年もう1度チャンスをいただけたことは本当に幸運なことなのですが、今年の1次テストで「十分満足いく試合ができたか?」と聞かれれば、「まだまだ調整しきれてませんでした」という答えになってしまい、それでも去年の壁を突破できたことは、正直ホッとしています。もうすぐ8月末には2次審査があり、ここでは宿泊ありの長期戦で、体の調整はもちろん、全てにおいてきっちり準備をして後悔がないようにやりとげなければと思っています。
さて、ここ数年、様々なスポーツ界で女性アスリートの活躍が目立っていますが、そんな中、私がとってもうれしかったニュースが「TASAKIペルーレの磯崎選手の入籍発表」でした。年齢が1つ違いの磯崎選手の入籍は、同じ女性として、喜ばしくもあり、うらやましくもあります。(笑)どうしても女性選手の結婚となると「引退」という文字が出てきてしまうものですが、「理解ある夫」で、このまま現役を続けられ、支えてくれるパートナーが一緒にいるというのはとても幸せなことだと思います。

もう一人、なでしこリーグで結婚し、お子さんができて母親になっても現役で活躍されている、伊賀くの一の宮本ともみ選手がいます。柔道のやわらちゃん同様、子供を出産し、復帰するというのはとても努力がいることだと思います。お母さんになったからこそ出てくるパワーというのはもちろんあると思いますが、家族を支え、自分とも戦い、そんな女性アスリートをとても尊敬します。でも絶対に周りの協力、理解というのは必要だと思うし、それによってあきらめてしまった人もいると思います。

それは女性審判員でも同じことだと思います。がんばって女子1級まで上がった人でも、結婚、出産で現役から遠くなった人もいます。自分の意思で引退していくのはいいのですが、やっぱりやりたくても出来ない状況であきらめなければならないのはさみしいものです。だからもっと宮本選手や磯崎選手のように、結婚しても、出産してもがんばっていけるように、たくさんの女性アスリートが少しでも長く活躍できるような環境になっていったらいいなと思います。

サッカーとハート :提示力・止める勇気2007-07-10

現在、自分でサッカーチームを立ち上げ、有給の指導者として生活を送っている30歳前後の若手指導者が大変増えてきた。それはそれは大変な勇気とエネルギーだ。子供が集まらなければ死活問題だからだ。そうおいそれとスポンサーが有る訳でもなく自分達の動いた“量”と“質”が生活を支えるのだ。そういう彼らが立派な指導者になって自チームのみならずサッカー界を引っ張って行ってくれたらありがたい。

今、このたくさんあるサッカーチームから消費者(選手・・・親と子供)はチームチョイスをする時、何を持って選ぶのか?環境?近いから?強いから?指導者が良いから?そう、色々理由はある。

指導者とは何?なぜにこうもたくさんの人がサッカーの指導をするのか?

プラン

サッカーの指導者にはくつかの仕事がある。それぞれの目標を達成するためにそれぞれのタスクがある。では指導者の究極の役割とは何だろうか?どういうタイプの指導者が良い指導者なのか?選手に何をしてあげることが一番必要なことなのか?次の例を皆さんはどう思う?

新神戸駅から新幹線に飛び乗った。目標は新横浜駅。たまたまホームに新幹線が来たので飛び乗った。おそらく方向としたら東京方面に向かっているので間違いなく東京方面には行くだろう。しかし途中どの駅で止まるのか?この電車はひかりなのかのぞみなのか?そしていったい何時に付くのか・・・・?ひょっとしたら新大阪止まり?飛び乗った列車の終点が自分の行きたい駅ならば寝ていても目標駅には着く。しかし目標駅が終点ではないとすればどうする?ましてやその情報は無いとなれば・・・。寝過ごす可能性もあるのだ。

こういった先が見えない状態の時、“人”は不安になる。しかし自分が乗った新幹線がどこ行きであるとか途中どこで止まるだとか何時着といった現実の情報が事前に判っていたらどうだろう?『○○時まで寝よう』とか『食事を取る時間がある』などといった計画をたてて車内で行動することが出来る。計画は先が見えているからこそ立てられるものである。

ましてや“大人”は経験的に新神戸から新横浜までは3時間ほどある・・・とか『10分前に降りる用意をすれば間に合う』といったことを知っている。つまりドキドキして寝ずに緊張して到着駅を待たなくて済むのである。

では子供はどうだろう?初めてのお使い・・・ではないがまず不安で落ち着かないだろう。

提示力

そう考えると指導者の仕事とは・・・・何か見えて来はしないだろうか?

『出口の無いトンネル』、『行く先が見えない闇』といった類のものは人を不安にさせる。ということは“行く先”、“目標物”、“方向”、“時間”といったものが分かっているということは逆に言えばこの上なく人を安心させる要素ということが出来る。指導者はこの“行く先””方向”といった選手として目指すべき物、方向、目標、選手像を提示することが大切ではないかと考えている。

それらの情報をいつ?どういった言葉で?理解させるかが次なる問題ではあるが一筋の明かりを照らすことが指導者における最大の仕事ではないだろうか?その一筋の光に相当するものはプレーの評価、技術の評価、チームの目標、選手個人の目標といった数字で表しにくいものであったりする。しかし表現しなければならない。対象が子供であればあるほどこの一筋の光はどんどん太い光にしてやらねばならない。

選手側に立てば指導者の『提示』すると言う作業は的確であり分かりやすい言葉ほど良い。最もそういった数字であらわしにくいものを如何に理解しやすく現すか・・・しかも相手が聞き入れやすくなるような話し方や会話の“間”を使い分けながら・・・となると指導者の人間性・キャラクター・センスなのかもしれないが・・・。

アンテナ

若手の指導者が増えてきたことはとても良いことである。指導者に必要な要素は良き兄であり、良き父であり、良きコーチであり、良き教師であり、良き企画者であり、良きセールスマンであり・・・そして前述の『提示力』と様々な要素が必要である。教師も大変な仕事であるがサッカーコーチも大変な仕事である。この大変な要素を出来るだけ早く会得する必要がある。なぜならプロだから。それが商売ネタだから。ひとにない”売り“を持っていないと近所の食堂に客を取られた美味くない飯屋と同じだ。

何時まで経っても日々勉強、何年経っても勉強が必要ということは日々体感する。実際自分の知らないことに良く出会う。だから勉強や指導者としての完成や終わりは無いだろう。それでも出来れば人より少しでも多くのことを、人より少しでも速く知る方が良い。物理的なことは致し方ない。例えば親になってみないと子育ての大変さは分からないとか子供を持って始めて知ること(親の恩、反抗期の大変さ・・・等)などは時間と共に学ぶこと。ただそれ以外のものにはアンテナを張って日々敏感になっていなければならない。

若手指導者にエール!

私は現在、兵庫県クラブユースサッカー連盟の理事長をしているのだがこの組織の仕事は何かというと中学校・高校年代における学校の部活以外の、いわゆる“クラブチーム”における円滑な競技会参加・運営、新規設立チームの円滑な登録サポートである。今現在、中学校年代のクラブにおいて私が前述したことをしっかり自覚して指導をしているクラブがいくつあるか?きちんと一筋の光を差し込んだ指導をしているクラブとそうでないクラブとの差が徐々に見え始めているような気がしている。やがて各地域でクラブの存続危機や自然淘汰といった事態が起こる時代が来るだろう。サッカーも自由競争の時代に入ってきたのかもしれない。『選手の取り合いになるので我々のチームが練習をしている周りではチームを立ち上げないで欲しい』といったことを誰が止められるのか?つぶれていくガソリンスタンド、すしチェーン店の横に乱立するスパゲティ屋や焼き鳥屋。軒並びに建つラーメン店の多いこと。焼肉屋しかり・・・価格破壊を助長するこのご時勢にサッカークラブも同じようなことが起こりつつある。

こうなるとクラブの売りは?クラブのセールスポイントは?クラブの食いネタは?ということになる。・・・結局究極は人と人・・・つまりは指導者の質・・・・これしかない。面白いことを言うだけの“お兄ちゃん”的要素でのみ子供に気に入られているようではお先は見えたようなもの。あえて苦言を言うが質向上は必須条件であることは間違いない。

言い忘れたがサッカーの知識と指導の施し方(実践)も絶対条件であることはいうまでも無い、なにせプロ(有給指導者を抱える)サッカークラブであるから。

クラブをチョイス

これから子供をどこかのサッカークラブへ預けようと思っているご両親、何を持って入会するクラブを決断する?練習所が家から近いから?それも大切な要素。しかしできれば体験入部をした上でそのクラブの指導者と話をして決めたほうが良い。そしてそのクラブへ入る勇気と入らない勇気を持って欲しい。自分の目で見極める眼力を持って欲しい。現在は指導者が選手を選ぶのではなく選手が指導者・クラブを選ぶ時代なのである。指導者の質を見極める目が肥えていくことが指導者を育てるのだ。

しかし注意して欲しいこともある。保護者が言いたいことを言いたいだけ、好き勝手に”忠告“という名で所属クラブ指導者に言うという行為はいただけない。最近保護者のエスカレートも気になる。サッカー経験者のお父さんやスポーツ経験のあるお母さんが増え、自分の価値観で物を言うことが多い気がする。まあそうは言ってもそういう行為を保護者にさせてしまうこと自体、指導者の質が問われるということであり・・・、つまりその部分において自然淘汰されていかないとサッカー界全体やチームの運営スキルが向上していかないと私は考えている。

だからこそ、そんな時代だからこそ保護者は指導者と建設的に話しを行い、所属クラブの指導方針をよく理解して、わが子の子育ての方法にサッカーを利用していくことを視野に入れて欲しい。だからクラブを選ぶ時代なのである。だからクラブは様々な指導方針をもって自分達の”売り“を持つ必要がある。親からすればクラブの指導方針が自分の子育て教育論と合わなければ合うクラブを探したいものだ。そう言う環境になっていかなければ本当のサッカー文化の向上は無いだろう。しかし現実には『すぐ別のクラブを・・・』というわけには行かない。なにせ自分の居住地近くにそういった多種多様な”売り“を持ったクラブが沢山存在することは無い。少々遠方まで行かないとクラブがない。理想的なことばかりを言うようだが将来のよい姿としてはこういったことをイメージする。選手の質を上げる指導上のことばかりでなくこういったサッカーを取り巻く環境を向上させないとJFAが言う『世界のトップ10』『ワールドカップ優勝』などは実現しない・・・と思っている私である。

マイ・ブーム

今私の中でのマイブームの言葉は『止める勇気』である。これが今後の私の“売り”ネタかもしれない。サッカー協会の行事がそう。長年続いているから今更辞められない・・・といって続けるのではなく、本当に必要且つ効果的なものを残し、そうでないものは止めていく勇気が必要である。それが選手のためならばなおさら・・・。今、兵庫県・神戸市サッカー界は新しいアイディアを出し、改革を施す時期が来ていると私は考えている。指導者の変革・行事の変革・保護者の変革が必要な時代である。2007年4月から就任した兵庫県サッカー協会技術委員長という役職やJFAユースダイレクター(兵庫県の2〜4種・女子の競技会の整備や育成年代の指導者育成のリーダーとしてJFが任命する役職、ナショナルコーチの兵庫県版といった仕事)という仕事がまさのその“やめる勇気を実践”する仕事だ。

私が指導しているチームの“指導方針”を見て考えた・・・。私自身も改革をしていかないといけない。止める勇気・・・辞める勇気??この8月末から私はS級ライセンス講習会を受講することが決まり9〜2月くらいまではほとんど勉強漬け。週末しかチームの指導が出来ない。これって改革のチャンス?