まとちかサッカー日記 :女性アスリートの皆さんへ2010-06-10

皆様、明けましておめでとうございます。  とあいさつしたかったのですが、気がつけばもう4月間近・・・。月日の早さを常々感じています。
今年はなんといっても「ワールドカップイヤー」ということで大きな楽しみもあります。南アフリカというとても遠い場所での開催で、現地まで応援に行く人は少ないだろうし、強豪国の揃うブロックで日本はとても厳しい試合になると思いますが、1試合でも多く感動を与える試合を戦ってほしいと思います。

さて、今回は超久々の日記の更新ということで長丁場になりますが、最後まで読んでいただけたらと思います。

昨年の終わりに、私がボランティアでコーチをしている神戸FCで「栄養学」の話を聞く機会があり、その中でもレディース(女子チーム)向けの話にはとても関心があったので自ら参加させていただきました。その話を聞いて私からも女性アスリートの方に何か少しでもお伝えできれば・・・と思って今回の日記に書きました。

栄養学ということで最初は朝食の大切であったり、大便でわかる健康状態であったりという話でアスリートだけに関わらず大切な日々の生活習慣を教えていただきました。

元々自分の健康状態には、超がつくほど鈍感で今までに病気や怪我で入院するという経験もない健康児に産んでもらった両親に感謝ですが、やはり年齢というものは嘘がつけず仕事の疲れがとれなくなったり、昔みたいにむちゃできないことに最近感じるようになっただけに今回の話は自分自身すごく興味を持てました。

日々の食事や健康についての話の次は、試合や練習の前、途中、後にとるべき食べ物やドリンクのことを教えていただき、どうして必要かというところまでお話しいただいたのでとても勉強になりました。

果たしてこの私に実際実行できるかどうかは、???がつきますが、何か作るとき、買うときに意識があるかどうかで少しづつでも違ってくると思います。

そして最後は女性アスリートへのお話で、月経の大切や将来の出産のときのために今の健康状態の大切さを教えていただきました。
正直、私の今の年齢からではすでに遅く、中高生のころに気をつけておかないといけなかったことが多く「今はサッカーができればいい」と考えていても、将来子供を産むときに大変な思いをしているスポーツ選手がたくさんいると聞いてショックを受けました。

大きな病気、怪我をしたことがなかった私がどうしてこんなに関心を持ったかというと、将来できれば子供を作りたいということもありますが、人より月経の周期が短かったことに対して何も思わず、何もしてこなかったことと、2年前に審判活動を少しの間休まなければいけないことになった「貧血」というものをずっと抱えていたからです。 

幼いころの食べ物の好き嫌いが多かったのが原因なのか、または元々の体質なのかいまだにわかりませんが、極度にひどくなったのが中学の頃で、よく朝礼などで気分が悪くなったりしていたのですが、その時は「軽い貧血」と何も考えていませんでした。それから当時陸上部に所属していた私は、朝レンの40mダッシュたった1本走っただけで気分が悪くて立ち上がれなくなったり、さらに人の多い三宮での買い物ができなかったり、最後には10分ほどの登下校道も休憩しながらでないと歩けない状態になっていました。初めは「体力がないだけ」としか思われなかったし、私自身もそう思っていましたが、最後の状態のときでは病院で検査の結果、血液中の「ヘモグロビン」というものが人の4分の1ほどしかなくすぐにドクターストップがかかってしまいました。

部活では見学さえも許されず、半年ほどその足りない成分を増やす薬を飲んでいました。
数か月過ぎ、ようやく人並みの数値に戻ってきたので部活に復帰すると、今まで大の苦手だった長距離が楽に走れるようになりました。

ヘモグロビンとは血液中の酸素を体中に送る働きをするらしくそれが足りなかったということは、うまく体に酸素を送り込むことができず呼吸困難(酸素不足)になっていたということです。
それからは何故そうなっているかいろいろ検査をして原因を調べたのですが、何もわからず、薬を止めるとまた数値が下がったりと繰り返しでした。

自分でも面白いぐらいびっくりした経験が高校1年生の冬
夏ごろに数値が良くなりまた一度薬を飲むのをやめてみようとなっていて、その冬にはずいぶん数値が低くなっていたのでしょう。学校の3学期にマラソン大会があり、体育の授業ではマラソン大会に向けて走ることばかりだったのですが、この授業が始まったころは、クラスの運動の苦手な子よりも遅く一番最後を走っていた私ですが、途中から薬をまた飲み始めるとマラソン大会直前の体育の授業ではクラスのトップを走ることができたのです。
「これだけちがうのか」と目に見えた瞬間でした。

サッカーのプレーヤーを引退してからは、薬を飲むことはなくなりそれでもそれほどしんどさを感じることはなくなったので「大人になって治ったんだ」と思っていた私ですが、女子1級のテストを受けた年、体力テストは2回ともクリアはしたものの本当にギリギリで、走っている途中も何度も「走るのを辞めたい」と思ったぐらい苦しかったのですが、その時もまだ「貧血」ということを忘れていて、またただの「トレーニング不足」としか思っていなかったのです。無事1級のテストにクリアできたのはよかったのですが、そのあとたまたま会社の健康診断があり、その結果すぐに病院に行くように指導を受けました。

そこで昔のように「貧血状態」になっていることがわかり、1級テストでの体力テストが異常に苦しかった理由がわかりました。が、そのあと行われた女子1級の研修での体力テストにはクリアできず約半年間審判活動ができないようになりました。

成人してから薬を飲まなくても大丈夫だったのは、プレーヤーとして引退し指導者や審判はしていたものの毎日練習などで走り回っていた現役時ときほどハードなことはしていなかったので貧血もひどくならなかっただけで、ここ数年、審判として上を目指すようになった私は定期的に運動をするようになり今回の貧血につながったと思いました。

そして今回やっと自分自身がこういう体質で、長くスポーツに関わるために自覚が必要だとあらためて感じました。

今回こんなに長々といろんなお話をさせていただきましたが、皆さんにお話ししたかったのは、女性だけではありませんが自分の体のことをよく知りそれと向き合って自分の体を大事にしていくこと、スポーツ選手としてだけの体つくりだけでなく、女性として将来、スポーツをしてきたことに後悔する日が来ないための体づくりを知るきっかけになってくれればいいなと思っています。

自分の人生がいつ思い返してもよかったと思えるように日々に何気なくとる食事、健康を意識していただけたらと思います。