まとちかサッカー日記 :新たな出発2006-07-10

2006年7月中旬

 皆さんこんにちは。4年に1度の楽しみのワールドカップがあっという間に終わってしまいました。今回のワールドカップは、決勝トーナメントに強豪国チームがそろい、毎日目が離せませんでした。いろいろな問題が取り上げられましたが、やっぱり世界一の大会だけに盛り上がりはすごく、終わってみて寂しさを感じます。

 日本からの審判員、上川氏も決勝トーナメントに残り、3位決定戦の主審を務められたことはとてもうれしいニュースでした。日本代表は、残念ながら予選敗退が決まってしまいましたが、私にとって何よりの衝撃は中田英寿選手の現役引退のニュースでした。

 ブラジル戦が終わった後、ピッチで寝転がり涙を浮かべている中田選手の姿を見て、今までにない思いがあることを、同い年という面ですごく何かを感じるものがありました。「代表にはもう戻らない」という予感はありましたが、それ以上に衝撃を受けたのがその数日後に流れたニュースでした。まさか現役まで引退してしまうとは・・・本当にショックでした。言葉にならないぐらいショックでした。

 中田選手がJリーグに入った当初は、「ファンにあまりサインをしなくてそっけない」「プロもそんなに長く続ける気がない」みたいなところが、私はとても嫌いでした。でも日本代表に入って、海外のチームに移籍し、海外のレベルでがんばり活躍し、サッカーを楽しみ、代表では年上の選手とも自分の思いをぶつけ、ぶつかりながら日本が世界のレベルに追いつくように引っ張っていってくれました。中田選手が年上組になった今年のワールドカップでも報道では「チームとうまくいってない」とか「浮いてる」みたいなことを言われ、皆さんのなかでもいろんな意見はあると思いますが、私はチームメイトと本気でぶつかり思いを伝えようとしている彼の姿にエールを送っていました。

 最後、倒れそうなぐらい走り回った選手が何人いたでしょうか?ブラジル戦で大差をつけられても最後まで気持ちで戦えた選手が何人いたでしょうか?そう思うと、今の日本代表には中田選手の思いは伝わらないのがかなしいし、またそうやって伝えることができる選手が引退してしまうことが、とても残念でなりません。

 私も中田選手と同じ年、毎年毎年、今の自分とこれからの自分について考えることが増えてきます。今年は審判の女子1級テストを受けさせていただきましたが、1次審査から不合格の結果が出てしまいました。神戸をはじめ、関西の審判の方々の期待に応えられなかったのが情けなく、自分自身もすごく悔しく落ち込んだりしましたが、私はここからまた、だめな自分を捨て新しい1歩を踏み出そうと思います。転機をむかえるこの年頃、中田選手は引退という形で新しい人生をスタートしましたが、私もまた、新たな気持ちでがんばろうと思います。