まとちかサッカー日記

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まとちかサッカー日記

2011年7月 NO.88
「女子W杯優勝おめでとうございます!!」

皆さん、こんにちは。暑い日が続きますね。今年は節電対策も大切ですが、くれぐれも体調を崩されませんようお気をつけください。

さて、こんな暑さを吹っ飛ばしてくれたのが、女子W杯優勝の快挙!!
あの決勝戦を見ていなかった人の方が少ないかもしれません。
男女合わせて、サッカーで世界No1になる日が来るとは、サッカー人としてこんなにうれしいことはありません。

特に女子はここ最近、なでしこやその下のチャレンジリーグなどでスポンサーにつく企業も不景気で、経済的にも厳しく、注目もされにくくなっていたので、これでまた女子サッカーが盛り上がりを見せ、選手たちにとって少しでも環境が良くなればいいなと思います。たくさんの女の子たちに夢や希望も与えてくれました。そして何よりサッカーに関心がある人だけでなく、暗いニュースの続いていた日本に光や勇気を与えてくれたのではないでしょうか。

3月に東北に大きな震災があり、神戸で15年前に震災を経験した私は本当に大きなショックを受けましいた。ニュース等からでもあの阪神大震災より大きな被害があったのは、一目でわかります。私たちでさえとても苦しい思いをしたのに、それ以上って考えられますか!?

そして私は、ここ何年か大会派遣や、研修会など何度も福島のJヴィレッジに行っていただけに、よく知っている駅や町が全く違った姿になっていたり、試合で一緒になった東北の審判員の方の安否がとても心配でした。5月にようやく福島にいる女子1級の方に会う機会があったのですが、話を聞くだけでも胸が絞めつけられる思いでした。

まだまだ復興には時間がかかり、被災者の方々も大変な毎日だと思いますが、今回のW杯のニュースはそんな方々に少しでも勇気や元気を与えたことでしょう。特に東電でプレーをしていた鮫島選手は人1倍東北に方に…という思いが大きかったと思います。そんな彼女の全試合出場、そして多くの活躍、優勝は東北の方に大きな力を与えたことでしょう。

W杯の決勝戦は見た方は多かったと思いますが、それ以外の試合はご覧になられましたか?準決勝も民放で放送されたので見られた方は多かったと思いますが、それまではBSでしか放送がなく、私同様見たくても見ることができなかった人もいたのではないでしょうか。

「なんでBSつけてなかったんだろう」と後悔しつつW杯が始まりました。しかしタイミングがよかったので、7月に行われる1級審判の研修会で日本戦の1試合目の審判を見るという課題があり、DVDが送られてきたので1試合目は見ることができました。予選リーグのあとの2試合は、残念ながらニュースでハイライトなどしか見ることができなかったのですが、決勝トーナメントの1試合目のドイツ戦はちょうどその研修中でホテルのテレビがBSを見ることができたのでとてもラッキーでした。

まずは優勝候補のドイツに勝てるなんて本当に夢のようでした。実力ではドイツの方が上だったかもしれません。厳しい時間が多い中、あきらめない・負けない精神を見せてもらった試合でした。

続くスウェーデン戦は家で見ることができたため、ゆっくり見ていました。強豪ドイツに勝ったあとの試合なので、個人的に気の緩みなどが出ないか気になっていましたが、全くそんなことはなく、今回の大会で見せる強いなでしこらしい試合でした。

そして興奮の決勝戦、FIFAランキングNO1のアメリカに前半0−0、ドイツ戦同様に厳しい時間が続く中、強い気持ちで戦っているのがよくわかりました。 後半に先制(失点)をされたときは、「ここまでか・・・」と見ている方が思ってしまうような試合展開でしたが、彼女たちはこれっぽっちもあきらめることなく、そして同点に追いついたのです。あんなタフな試合を90分でも十分疲れきっているはずなのに、延長戦に入っても力強いサッカーを見せてくれました。しかし延長の前半、しかも終了ぎりぎりで失点した時は、本当に「もう駄目か・・・」と思いましたが、後半残り3分ほどでの同点ゴール。

あのCKが注目されましたが、その前の近賀選手が一人でペナルティエリアに切れ込んでのシュートから生まれたコーナーキックでした。私は家で一人で見ていましたが、近所迷惑も考えず大はしゃぎしました。(愛犬も私につられて興奮して大変でした・・笑)

そして忘れてはいけないのが、延長戦のロスタイム。最後の最後まで続くアメリカの攻撃の中、岩清水選手のレッドカードのシーン。ニュースなどではほとんど出てこなかったシーンなので、忘れている方も多いかもしれませんが、私には大きなシーンでした。

私自身、審判をしている立場から正直レッドカードに値するプレーを取り上げていいものかと思いますが、彼女の渾身のスライディングのプレーがなければ日本は負けていたかもしれません。その少し前もペナルティーエリア内でアメリカのキープレーヤーのワンバック選手に入った絶妙なパスを阻止したのは岩清水選手でした。そのときはボールにいってファウルはなかったのですが、今回は出遅れただけにボールと一緒に相手も倒してしまいファウルになってしまいました。

「なぜあの程度のファウルでレッドカード?」と思った人も多くいたと思います。中継でも「あのタックルでレッドはきびしい」というようなことを言っていましたが、さっきも話したように、あのプレーがなければ得点されていた可能性が高い(個人的にはほぼやられていたと思う)ことを考えると、「決定的得点の阻止」でのレッドカード(退場)に値する反則になってしまうのです。だからあのプレーをほめていいわけではないかもしれませんが、あそこで自分が犠牲になってでも止めに入る懸命な姿に私は大きく気持ちを動かされました。

一緒に戦っていたなでしこの選手はもっとそれを感じ、残りの時間をねばりきったことでしょう。そして最後にPK戦では海堀選手の見事なセービング、1本目が止められたとき私は日本の勝利を確信しました。

今回のW杯で「優勝」だけではこれほど多くの人の気持ちは動かなかったと思います。選手1人1人のあきらめない戦い、やられても追いつくという強い気持ちが何より日本の、みんなの、いえ世界の人たちの気持ちを動かしたのだと思います。

これからのなでしこリーグそして夏から始まる来年のオリンピックの予選でもまたこのような強い気持ちのプレーが見ることができたらいいなと思います。日本代表の皆さん、本当にありがとう。お疲れさまでした。

追伸:
職業病ではありませんが、今回のW杯で私自身もう一つ気になったのが審判でした。 大会の中では(日本の試合ではありませんが)問題の判定もあったようですが、日本戦に当たっていた審判団、特に決勝のドイツの審判の方は本当に上手かったです。 世界の道はまだまだ遠いなと感じましたが、あこがれの思いも強くなりました。今回の大会に日本からも主審の方1人と、副審の方1人が選出され活躍されました。まずはそんな先輩方に少しでも近づけるよう、また頑張っていきたいです。

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