カルチョの旅

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2009.5.19 NO.49


『回復と負荷…そして娘のコンディショニング?!』


Ciao v^^v

年々毎に更新が少なくなってきている今日この頃。
リクエストが寄せられるものの期待に応えられずにスミマセン…
というわけで、今日はそのリクエストされた中から興味深いテーマが見つかったので皆さんと共に研究です。
決して僕に娘が誕生して親バカな話をしているわけではありませんのであしからず…(^^);

☆              ☆               ☆

河村さんに質問です
私の娘が高校1年生で剣道をしています
日本一を目指していますが全国大会出場を毎回ぎりぎりの所で逃してしまいます
そこで 女子の試合前のコンデショニングについて教えていただきたいのですが…

現状では 
@高校の部で男子と女子がまったく同じ練習メニューで行っています。
A練習も男女が対戦して行います。
B昨年まで女子部しかなくて全国大会にも行く実力でした
C男子は1年しかいません
D男子は当初の予想より早く早速成果をあげて県2位の実力で全国出場もまじかです
E先生は2年前に赴任してばかりで女子を教えるのは2年目です
?
本日も近畿大会でしたが
@女子全員の体重が落ちて筋肉が細く痛んでいます
A2日前まで通常の2部練習で朝練習 午後練習でした
B昨日も合宿でみっちり試合を行いました
?
結果
@男子は良い体つくりができ 動きも快調です
A女子は体重を減らし 疲れ気味です
?
もともと 高校生の男女が合同で同じ練習は心配していましたが
試合前のコンデショニング作りも差があるのではと確信しましたが
どの程度 男女差があるのか身体的な特徴も分かりません
河村さんは 日本人の中学生男子 日本代表クラスの女子 海外の男子 大学男子と各年代でご活躍ですが男女差について 教えていただけませんか
よろしくご指導ください

☆              ☆               ☆

というご質問です!!!
なかなか鋭い視点で娘さんを分析されていると率直に思いました。
少し問題点が多いので一つ一つ整理していきましょう。

まず男性と女性では体の発育発達がまったく異なっていることは皆さんも理解されていると思います。
となると、そのまったく異なるパワー・スピードの体を持つ両者が激しくぶつかり合うと、一方だけがダメージを受けることは一般的に考えても想像できるでしょう。

おそらく同じ女子同士であれば練習量が多くても、自分よりも強度の高過ぎない相手と対戦ですから切磋琢磨できると思います。
しかし練習量が多すぎるのも実は問題点があります。

練習量が多い=上手くなる・強くなる

という方程式は成り立ちません…。
目的に合った(どの部分を鍛える?!)、質(どのように?!)と量(適度な時間と回復がポイント)を兼ね備えたトレーニング計画をもとに選手は鍛えられていくわけです。

つまり…

的確なトレーニング内容+時間+回復(睡眠・栄養も考慮する)

によってアスリートは心身共にたくましくなっていくのです。
今回のケースで行くと…

男子パワー>女子パワー
男子・筋持久力長時間維持できる女子・筋持久力が長い選手でも男子より短い

さらに考えられることは…

男子はダメージが少ないので回復が的確に行われており、一方の女子はダメージが回復し切れないまま、次のサイクルが始まるという悪循環に陥っています。

男子 鍛える→超回復→たくましくなる→さらに鍛える→超回復→さらにたくましくなる
女子 鍛える→不完全回復→さらにダメージが蓄積→鍛える→不完全回復→計り知れないダメージの蓄積


男子は順調なバイオリズム、一方女子は負のスパイラルに巻き込まれています…。
ですからこの高校が男子の結果良くなるのは順調なトレーニングによって強化がされている分、その犠牲となっているのが女子ということになります。

これは何も女子だからと必ずこうなるというのではなく、当然男子も過剰な負荷をかけ、適度な回復期間を与えず、闇雲に長時間鍛えようとすると必ず起こり得る現象になります。

☆              ☆               ☆
しかし…?!
レベルに合わせて意図的に男子のチームとの対戦させることもしばしばあります。
これは世界レベルの試合を視野に入れた場合(なでしこジャパンは五輪の前に作陽高校男子サッカー部や吉備国際大学男子サッカー部と合同練習・テストマッチ)にフィジカルが強くて速い選手の多い国アメリカ・ドイツ・スウェーデン・ブラジルなどとの対戦を見据えて、普段から激しいTRをこなし【スピードに慣れる】【恐怖心を克服する】という目的です。
僕もTASAKIペルーレ時代にはよくU-15の男子チーム(時には高校チーム)とテストマッチを組ませてもらいました…関係者の皆様その節はお世話になりました (^^)

もちろんその後にはきちんと体のケアを怠らないようにマッサージやストレッチ、栄養豊富な食事が欠かせません!
とくにそのような強度を高くするためには一定の回復期間を計算に入れて先読み行動を開始しながらピーキング(絶好調ポイント)をどこへ持ってくるかが鍵となります。

それから怪我予防のために筋力トレーニングが必要不可欠となります。
これは個々によって弱い箇所が異なりますのでトレーナーと相談しながら、弱点強化のピンポイント筋力トレーニングを地道に行いながら、体の全体動作がスムーズにいくように整えていきます。そういった意味では日本においてトレーナーの絶対数が欠けているように思えます。(イタリアではボランティアのお医者さんやトレーナーも数多くいました)
とくに女子の場合は自分の体重をしっかり支えることができない選手が多く、ひざの靭帯(前十字靱帯)を痛めて回復までに半年かかる選手が多いのは事実です。

僕の場合でいえば、優秀なトレーナーのクリスチャン(※【栗須昭】日本人です、笑)がいたのでTASAKI時代には困ることはありませんでした。
様々な問題点が発生した場合の処置、あるいは未然に防ぐTRプログラムの作成、年間計画etc、それはそれはお互い譲り合わないぐらい建設的なディスカッションが控え室で繰り広げられたエピソードがありました…もちろん選手たちは知る由もありませんでしたが…爆+笑。
そんな彼が所属している素晴らしいプロフェッショナル魂を持ったトレーナー派遣専門の【Professinal Traioners Team】を知りたい方は下記のサイトへどうぞ
http://www.pttcorp.com/index.html

少し話が脱線しました…まだまだ解決しなければいけないポイントがあります。
それは【集中力の持続】というアスリートにとって試合で一番大事な要素をいかに普段のTRで取り入れることができるか?!です。

人間の集中力は長続きしません。

当然おもしろければ長続きするし、興味がなければガクンと集中力は欠如します。
となればTRをいかに盛り上げて楽しませながら強化していけるかが最大のポイントであり、またプレイヤーもいかに自分を磨くために『どんなTR内容でも工夫して楽しめるか?』というポジティブな姿勢が大事です。

そういった意味で…
【説明が長い】・【順番がなかなか回ってこない】・【プレッシャーが緩い】etcという要素は試合のシチュエーションとは程遠いという結果なります。

☆              ☆               ☆
負荷のかけ方には色んな種類があって、個人の特徴が適応しているか?!などたくさんの要素が重なって構成されるので「これが正解!」というものはありません。
テストを行い、タイミング(時期)・量・結果を考えてトレーニングに活かしていかなければなりません。

この微妙な検証を把握するために日々の選手の顔色や疲労をうまくコントロールできるコーチ(監督)こそが良いコンディショニングを保つ秘訣となります。

では『試合に向けてどのようにピーキングを持ってくるか?!』を次回のテーマにしたいと思います。
それではまた。
Ciao!!!

Kawa


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