カルチョの旅

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2006.1.1 NO.38


「ストライカー」


Buon anno a tutti!(明けましておめでとうございます)
最近は予想以上に雨や雪が多いイタリアですが、皆さんは日本のお正月をいかがお過ごしでしょうか?!

今年はいよいよドイツW杯開催です!!!
日本代表の活躍を期待しながら、しっかりと応援したいと思います。

さて、2006年第一弾の『カルチョの旅』は皆さんも待ち望むストライカーについて語りたいと思います。

日本ではよく【決定力不足】【ストライカー不在】【中盤はタレントぞろい】という言葉を耳にします。
実際に私のチームも決定力不足に悩む時期がありましたからね。

≪世界の素晴らしいストライカーたち≫

世界を見渡せば今の日本代表にいて欲しいストライカーが山ほどいます。
例えばドイツW杯で注目されるのは…
ロナウド、アドリアーノ、シェフチェンコ、トレゼゲ、アンリ、イブラヒモビッチ、ルーニー、ファンニステローイ、ドログバ、トニ、ジラルディーノ、オーウェン、テベス、クレスポ、クローゼetc…と、いかなる時も目が離せないプレイヤーたちが挙げられます。
※他にもいると思いますが、おおよそ皆さんが期待しているストライカーばかりです。

もちろん他にもロナウジーニョ、カカ、トッティ、メッシ、ラウル、ファンデルファールト、シセ、アイマールetcといったFWに近いセカンドストライカー的なタイプも見逃せませんが、ここでは純粋によりゴールを狙うプレイヤーたちを例に挙げてみました。
※具体的なちがいについては私の友人でありますS級ライセンス保持者の平田氏が述べていらっしゃるので下記のHPへ訪問してみてください。
http://www.geocities.jp/takahamafc_1970/takahamafc/s-kyu/hirata-62.htm

◇               ◇               ◇

実は私が『カルチョの旅』に出る決意をした理由、この【ストライカーの分析】が最大の目標だったのです。
その真意は3年前のこのコーナーの“Vol.1”にも、最近開設したブログ(http://rivoluzion.exblog.jp/)にも掲載しております。

なぜならイタリアでは結果が一番必要とされるからです。
だからこそ守備が堅く、しかしそれでもその堅固な守備包囲網をかいくぐってゴールを奪うストライカーが存在するのです。

≪ゴールって…?!≫

ではそのゴールを奪うために何が必要でしょうか…?!
皆さんも一緒に考えてみてください…私が考える要素としては以下の点が挙げられます。

何より<ゴールを決める喜び>を知っています。

だからその喜びを達成しようとするからこそ…。
<シュートを打つ>ことを常に考えています。

そしてどのようにシュートを打つか?を判断しています。
<キックの正確さ、決断力、ボール落下地点の予測>を瞬間に吟味(判断)します。

プラス正確に枠へシュートを飛ばすために…。
<キック(ヘディング)の練習>が必要不可欠と考えているはずです。とくにシチュエーション(常に試合を想定した場面設定)、敵なし(基本フォーム)、敵あり(体を支えるバランス)などを各個人が常にイメージしていることがとても重要です。

つまり原点を突き詰めると…。
<基本が一番大事>ということになります。そのいくつかのポイントを挙げます。
・ 軸足の方向(目標に向いているか)
・ 軸足の位置(ボールとの距離・位置関係)
・ 一番バランスを取るのに必要な軸足親指の方向
・ ボールのインパクトに対する角度
・ ボールを捕えるインパクトのポイント(ボールのどの部分をヒットさせるか)
・ 蹴り足の角度
・ 蹴り足の振込み具合
・ 蹴り足のフォロースルー
・ 体を支える手のバランス
※ ヘディングの場合
・ 落下地点を捕らえる
・ ボールを捕える為の最大到達点の確保(ジャンプのタイミング)
 これ以外にもありますが重要なのはこの2点!!!

おそらく上記に挙げたストライカーたちはみんな、この単純かつ明快な要素を兼ね備えていると思います。

となれば彼らに近づくストライカーを育てるには、こういったシンプルな要素を我々が率先して引き出し、丁寧に地道にアドバイスしていくことこそ近道なのではないでしょうか?!

攻撃を構築するためにいろいろと戦術パターンのトレーニングや守備の組織トレーニングを行いますが、もし仮に破壊的なストライカーが一人いれば全部それを吹き飛ばしてしまうんですよね〜プラスにもマイナスにも。→実体験を物語る、笑。

≪決定力不足を打開する!≫

【決定力不足】とよく言われますが、ではそれを解決する手段としては何が考えられるでしょうか?!
<シュートが外れる原因を追究することです!>
→一見ネガティブな発想に思われがちですが、実はこれがポジティブに変化するのです。

<シュートが外れる原因>を見極めるのは本当に大変です。
外れた原因を考えずに【決定力不足】と客観的に判断するのは少し安易だと思います。
相手がどんなに強くても必ずチャンスは訪れるわけですから、その数少ないチャンスを生かすために試合分析から問題点の抽出が必要です。
そしてその改善すべき点を何度も繰り返しシュート練習していくのです。
とくに今回は個人の技術部分に着眼させてもらいました。

例えば…その1


例えば…その2


※ここに挙げたトレーニングとはカルチョに適した、しかもポジションにあったものが必要です。(これについて話すとテーマが膨らむので後日述べたいと思います。) そして別にこのバランスを取るトレーニングはフィジカルトレーニングを推奨したいのではありませんからお間違いにならないようにお願いします。

以上の「例え話」を他にも考えるとキリがありません。
私たち指導者が各々で、選手個々の能力を把握して問題点を分析し、トレーニングにフィードバックすることが必要となるわけです。

◇               ◇               ◇

【ストライカーを育成するために!】…なんて意気込んで長々と書いてきました。
しかし子供の頃に一番楽しいできごとはゴールを奪うことです。

その延長線上にトレーニングがあるだけで、ひょっとするとわたしたち大人が考えすぎてトレーニングを課し、子供が喜ぶ場を奪っているかもしれないことを危惧する今日この頃なのです…苦笑(ここまで長く解説しておきながらすべてを覆す発言お許しください)。

繰り返して申しますがストライカーの原点はゴールを決めることです。
そんな彼らにとって試合でゴールを決めることが一番うれしい出来事なのです。

ですからシュート場面が数多く訪れるようにトレーニングを設定し、指導者から分析に基づいたアドバイスを適度なタイミングで送る。

各年代においてこういった積み重ねが構築されていけば「日本って優れたストライカーが多いからDFも成長してきたね、でも中盤が最近育ってないね」なんて台詞につながる日もそう遠くないかもしれません…???

ん〜これってイタリアの現状を物語っているだけでしたか?笑
ハイ、実はイタリアと日本の良さをミックスしたら良いカルチョが展開できると考えている私です…。

今回は「基本こそ大事!」という個々の技術的な部分をクローズアップしました。
次回はその【素晴らしいストライカーたち】がどのように優れているか?!を探求していきたいと思います。

それではまた。
2006が皆さんにとって良い年となりますように…。
Ciao!

Kawa


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